よく語り合った松下幸之助さんの言葉が、今でも耳朶から離れない。
「池田先生、やっぱり、若い時の苦労は、買ってでもせにゃ、あきまへんなぁ」と。
今の時代は、皆、苦労から逃げようとしている。苦労することを、時代遅れのように思っている。また苦労するのが損のように勘違いしている。そうではない。苦労は全部、自分のためである。甘えようと思えば、いくらでも甘えられる『鍛錬なき時代』である。鍛錬なきゆえに、自己が崩壊し、日本という国自体が、崩壊の様相を呈してきた。こういう時代だからこそ、自分から求めて「苦労しよう」と自覚した人が得をする。何ものにも「負けない」自分へと、鍛錬し抜いた人が勝つ。
松下幸之助[1894〜1989]
経営者。和歌山の生まれ。1918年(大正7年)改良ソケットを考案して独立し、家庭用の電気器具製作所を創業。1935年(昭和10年)松下電器産業に改組以後、家電製品の大メーカーに育てた。またPHP研究所や松下政経塾を設立。
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